電子透かしとウォーターマークに、業界で定められている明確な定義や分類はありません。いずれもデジタル情報に追加データを埋め込み、権利情報や識別子を付加する技術を指します。
大きく分けて、肉眼で確認できる「可視型電子透かし/可視ウォーターマーク」と、肉眼では確認できない「不可視型電子透かし/不可視ウォーターマーク」があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
本記事では、二つの違いを解説していますので、デジタルコンテンツの情報漏えいや不正利用対策を強化したいセキュリティ担当者は、参考材料としてご活用ください。
企業ロゴやクレジット、QRコードやバーコードなどを視認できる形式でデジタルコンテンツに重ね合わせる技術です。
画像や動画を開いた瞬間にロゴやクレジットが目に入り、「このコンテンツには権利者がいる」というメッセージを視覚的に強調することが可能。特にSNSやストックフォトサイトなど拡散力の高いプラットフォームでは、流用を試みる第三者に対して高い抑止効果を発揮し、著作権侵害のリスクを低減します。
ブランドロゴを常時表示できるため、マーケティング用途としても有効で、ファンに対して固有の世界観と信頼感を示すブランディング効果を期待できます。
肉眼で確認できる分、デジタルコンテンツのデザインに影響してしまうのがデメリットです。アート作品や高品質な商品写真では、視界を遮る要素が鑑賞体験を著しく下げる可能性があります。
また、透かしを入れた部分をトリミングされたり、AIベースのリペイント機能で消去されたりすると、無力化するリスクが高いことも避けられません。
画質に影響を与えずに透かしを配置する工夫や、不正コピーを監視する体制の整備など、実運用面での工夫が求められます。
著作権者名や企業ID、発行日時や配布先などの識別情報を、視認できない形式でデジタルコンテンツに埋め込む技術です。
デジタルコンテンツのデータ内部に識別情報を埋め込むため、視覚的な変化がありません。デジタルコンテンツ本来のデザイン性を保てる点が大きなメリットです。
加えて、識別情報は暗号化された状態で埋め込まれることが多く、第三者による改ざんを防ぎやすいという特徴があります。
万が一、情報が不正に流出し、模倣やコピーが問題化した場合でも、電子透かしに記録された発行日時や著作権者情報を用いて、正規の権利者としての立場を主張することが可能。これは訴訟対応やトラブル予防の観点でも重要な役割を果たします。
閲覧者の目に見えないため、無断利用への抑止効果は低めです。導入していても不正コピーが横行するケースは少なくありません。
また、透かしを検出・解析するには専用ツールやクラウド照合システムが必要なため、導入コストやオペレーションコストが高くなる傾向にあります。
SNS投稿時の自動圧縮処理やクラウドストレージの最適化変換など、データが簡略化される過程で透かし情報が失われるリスクについても留意しておきましょう。
不正利用を未然に防ぎたいのであれば、ロゴやクレジットを直接表示できる「可視型電子透かし/可視ウォーターマーク」が適しています。
作品の価値やビジュアルを損なわずに有事の証拠を残したい場合は、データ内部に情報を埋め込む「不可視型電子透かし/不可視ウォーターマーク」が有効です。
なお、実際の運用では、抑止と証拠保全の両方を目的として二つの技術を併用するケースも増えています。目的や予算をふまえたうえで、電子透かし技術を搭載している製品を導入しましょう。
電子透かしには「可視型」と「不可視型」があり、それぞれ抑止力と証拠能力といった異なる役割を持っています。
そのため、自社の課題や運用目的に応じて、どの技術を採用するかを見極めることが重要です。
本メディアでは、画像・パッケージ・スクリーンショットなど用途別におすすめの電子透かしソフトを紹介しています。自社のセキュリティ対策に適した製品選定にぜひお役立てください。
企業は、画像の不正利用や偽造品流通、画面キャプチャによる漏洩など、用途ごとに異なるリスクに直面しています。電子透かしソフトにも、画像に埋め込むタイプ、製品パッケージに入れるタイプ、画面キャプチャに対応するタイプなどがあり、守りたい対象に合わせて選ぶことで、それぞれのリスクに応じた抑止効果を期待できます。
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